プラスチックの商品包装、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂

プラスチックの商品包装とは

プラスチックの商品包装は、商品を機能的に保護し、衛生的で、商品価値があり、美しく、使いやすい包装である。 代表的な包装形態としては、ストレッチ包装、ブリスター包装、スキン包装、シュリンク包装、スリーブ包装などがある。


熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂

熱可塑性樹脂は、加熱すると軟化し、この状態で力を加えると流動性により変形し、力を取り去ってもその外形を保持する性質を有する合成樹脂である。冷却すると固化するが、再加熱により軟化し、何度でもこの履歴を繰り返す。熱変形温度については、150℃ぐらいで変形するものが多い。

分子構造は一般的に、線状構造である。成形方法は、押出し成形、射出成形、中空成形、真空成形などがあり、フィルム・ボトル・繊維などの種々の形状が自由に成形され、成形速度も早い。能率的な連続加工ができる。成形時に化学反応を起こさないために原則的にスクラップの再利用ができる。代表的な樹脂は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)などがある。透明度については、多くが透明な製品である。充填剤・強化剤は、ほとんどの場合添加しない。包装用は、ほとんどの包装材料がこの熱可塑性樹脂になる。

熱硬化性樹脂は、加熱により硬化反応が進んで三次元網目構造を形成する合成樹脂である。一度硬化したものは再加熱しても軟化することはない。

熱変形温度については、成形硬化後は150℃に耐える。分子構造は一般的に、橋架け構造である。成形方法は、圧縮成形や積層成形などがある。樹脂は耐熱性・表面硬度・寸法安定性などがあるが、成形性が悪く、成形時間も遅い為、成形能率は能率的ではない。成形時に化学反応をして三次元構造になるために成形不良品は再利用できない。

代表的な樹脂は、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、不飽和ポリエステル(UP)がある。透明度については、ほとんどが不透明、または半透明の製品である。充填剤・強化剤は、性能向上のため添加する。包装材料への利用はないが、塗料や接着剤などに使用され、食器・化粧板・電気機器部品などに使用される。