輸送のメリットとストレスの特徴

トラック輸送のメリットとストレスの特徴

メリットは、輸送経路の選択や戸口から戸口への輸送が可能であることなど、その利便性、自由度にある。
機械的ストレスの主なものは、路面から荷台に伝わってくる振動・衝撃、エンジンの振動、タイヤや台車の共振によるものの合成である。タイヤが「転がる」という周期的かつ連続した動きに加えて、走行中の車両は路面の状況によって不規則な衝撃的な入力を受け、車両の構造要素の固有振動数に応答する。車両に積載された貨物が走行中に受けるストレスは、路面状況、輸送車両の形態、走行速度、積載量、積載状態によって変化する。特に路面状況は舗装道路と未舗装路、また壊れた舗装路などにより、貨物に与えるストレスを大きく左右する。


海上輸送のメリットとストレスの特徴

メリットは、一度に大量の貨物を安価に輸送できること。
ストレスは、航行中の天候などで発生する波が船体への挙動として与えるものが主となっている。ひとつは、波が船体をゆするような力として働くことによって発生する回転系の動きである。ローリング(横揺れ)、ピッチング(縦ゆれ)、ヨウイング(船首の首振り)といった挙動がある。もうひとつは、うねりのような非常に大きな波が船体を持ち上げたり、また押し流したりするように水平移動させる力としてセンタに働くことで発生する直線的な運動である。ヒービング(上下動)、スウェイ(横滑り)、サージング(前後滑り)といった挙動がある。


航空輸送のメリットとストレスの特徴

メリットは「速さ」である。
包装貨物に与える振動、衝撃ストレスの要因は、航空機の性能・形式、飛行速度、天候、操縦、滑走路面の状態などがあげられる。飛行機が飛行中に発生する挙動は、操縦による挙動のほかに気流という外的要因による挙動がある。航空機の飛行中の姿勢は、姿勢制御が行われているので、荷崩れにつながるような大きな角度のローリングは発生しない。しかし、荷役ストレスは他の輸送手段より比較的高い。搬送車の連結部分がぶつかった際の衝撃、路面の継ぎ目からの衝撃などが発生する。また、小口輸送を行う際のユニット化作業で、荷崩れ防止用のネットがかなりの張力でかけられる。


人的荷役

特徴
人的荷役とは、文字通り人の手による荷役作業を言い、貨物のパレタイズ、コンテナやトラックへの積み降ろしなど、荷役作業の基本は人の手に頼る部分が多い。しかし、人の手に頼る作業は、機械によるそれと異なり、貨物に与えるストレスには大きなバラツキがある。マニュアル等の整備と教育の徹底によりある程度の改善は見込まれる。だが、全ての物流過程に対して同一の管理を徹底することは困難であり、また人が行う作業レベルの管理は、一番管理しにくい領域である。たとえ同一の人物の荷扱いであってもその作業レベルには常にバラツキの発生がある。

長所と短所
内容品が著しいダメージを受ける状況は荷役作業中の衝撃によるものが多い。手荷役の場合は大きすぎるものと重すぎるものは荷扱いが大変であるため、できるだけ15~20kg、80cm以下になるよう包装することが望ましいが、冷蔵庫のように、製品質量が100kg程度、寸法も最大辺で180cmという製品もあり、荷扱いに適した包装を行うことはできないものも多い。ストレスのバラツキを生じさせるのは荷物を扱う人間の操作によるところが大きいとも言える。しかしながら最近の物流業界はワンマン運行が主体のため、重量物についても一人で荷扱いをしなければならない状況が増えており、人的荷役は重要であるし、欠かせないものとなっている。


機械的荷役

特徴
機械荷役ではエンジン、モーターなど動力源を備えた設備を用いることで人力では到底動かすことのできない重量貨物に対する荷役や高速な作業が可能となる。ガソリンは輸入の際はタンカーで運ばれ、ガソリンスタンドにはタンクローリーで届けられるし、輸入小麦も、バルク輸送がなされている。つまり包装せずにすむ方式が可能であれば、これが最も効率の良い輸送手段なのである。これら機械荷役に用いられる機械・設備は、大きな貨物、また重量物の荷扱いを目的としたものと多量の貨物に対する処理の効率化を図ることを目的としたものに二分される。

長所と短所
大きな貨物、また重量物の荷扱いを目的とした荷役装置には、コンテナの積み下ろしに使用されるガントリークレーンを代表に自動倉庫の搬送システムやフォークリフトに至るまで、また多量の貨物に対する処理を目的としたものではベルトコンベアや個々の機械荷役設備の集合体である宅配便の集配センターに代表されるような大規模なシステムまで、機械荷役の幅は広い。このような機械荷役によって貨物に与えられるストレス量は、基本的に機械固有の構造や作動速度等に依存するため、簡単にストレスを低減させることは非常に難しい。しかしその反面、人的荷役のように大きなバラツキを生じることは少ない。