工業包装用に利用されている紙・板紙の特徴

ロール紙

「ヤンキー式抄紙機で抄造した片面に光沢のある紙で、白色度、表面光沢、平滑性に優れ、印刷適正がよい」(JIS)。原料により純白ロール、Sロール、Gロールに区別され、直径5~6mの光沢ドライヤーを持つヤンキー式抄造機で光沢をつけた片艶紙である。表面はぎらぎらとした光沢を持ち、裏面は粗く、密度は低い。用途は、デパートなどの包装紙、小袋、チラシ、カートンの内貼りなど使用するが、軽量工業包装用にも利用せれている。


クラフト紙

クラフトパルプを原料にした強い紙の総称で、両更クラフト紙、筋入りクラフト紙、片艶クラフト紙がある」(JIS)。針葉樹を原料とし、褐色で、表面がやや粗で、印刷性や外観性は劣るが、紙強度は強い。薄物(40g/㎡)から厚物(120g/㎡)まであり、工業包装用重袋、ガムテープ、紙袋、段ボール用原紙などの用途がある。


油紙

化学パルプを原料とした原紙を油で処理した紙で、食料品、嗜好品、機械類などの包装に用いる。


ポリエチレン加工紙

エキストルーダー方式で行うことが多い。PEの種類は、低密度PEが多いが、一部耐性を上げるためリニアー低密度PEを使用することがある。PE加工紙は、耐水性、防湿性、耐寒性、伸張性、耐化学薬品性、透明性、ヒートシール性、耐油性などに優れている。また、小穴を開けると酸素や炭酸ガスの透過が自由に制御されるので、野菜類などの包装に適している。


マニラボール

表層に晒化学パルプを、中層と裏層に機械パルプ、未晒化学パルプ、脱墨古紙から抄き合せた紙である。現在は晒し化学パルプを主原料とした高級白板紙に変化しつつあるが、分類的に高級白板紙もマニラボールの範疇に入る。


白ボール

「表層は晒し化学パルプ、最下層は一般に脱インキ新聞古紙を用い、中層・裏層には、新聞・雑誌などの古紙を使用した板紙」(JIS)。わが国では紙器の大半を占める白ボールは、中層と裏層に下級古紙を使用している。坪量も300-600g/㎡の集めの板紙で、比較的大型紙器に使用される。


黄板紙

「①古紙、石灰乳蒸解のわらなどを主原料として製造した板紙で、安価な組立箱、表紙、紙管などに用い、黄ボールともいう。②通常黄色で、未晒のわらパルプだけで作られた紙又は板紙(JIS)」。わら材由来の色板紙であったが、今は段ボールや新聞古紙のチップボールと同分類で、坪量は400g/㎡で大きく貼り函、仕切、台紙に使用される。