企業の社会的責任(CSR)と消費者保護

企業の社会的責任(CSR)

昨今は、「企業の社会的責任(CSR)」が重要となり、「企業理念」「経営信条」「行動指針」の徹底を図り、ステークホルダー(顧客・株主・取引先・社会・地域社会・経営者・社員の利害関係者)に対してコミュニケーションを取っていかなければならない。

企業はよい情報は公開するが、マイナス情報は隠すという風習が往々にしてあるが、昨今は内部告発などを含め隠しきれないことが多くなった。そこで自由・公正・透明性などが要求され、負の情報も公開して社会に対する責務を果たさなくてはならない。

この企業の社会的責任(CSR)は、品質、衛生、安全、環境などのマネジメントの上位概念であり、企業ポリシーとして、積極的に遂行していかないと企業の存亡に係わる重要な事項である。


消費者を守るための法

消費者は、「財やサービスを使う人」、「物資を消費するひと」という意味である。消費者は、一般的に購買や商品の知識にも長けていないのが現状でそのため多くのトラブルを生じる。この消費者に対して、消費行動で生じる購買上や品質上のトラブルなどから守るために法規制がある。

以下消費者を守るための商法、独禁法と公正取引法、不正競争防止法、消費者基本法、景表法、消費者保護条例、PL法、適正包装の自主企画などの消費者保護の法規制を解説する。

●商法は、商行為を規定する法律で、以下の法律の基になる基本法律である。
●独禁法と公正取引法は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」が正式で、公正取引法は取引の指針となる。
●不正競争防止法は、商号、商標、工業所有権等の保護による適正競争と不正表示の禁止のための法である。
●消費者基本法は、消費者の商品及び財産を危害から守る基本法で、情報公開を含む。
●景表法は、不当景品類及び不当表示法のための法が正式で、不当な景品類や表示の防止を罰則するための法規制である。
●製造物責任法(PL法)は、製造物の欠陥で生命、財産などに被害が生じたときに製造者が責任を負う法規制である。
●消費者保護条例は、都道府県や政令指定都市などが消費者を保護するために作った条例である。
●適正包装の自主企画は、適正包装をめざし都道府県等条例を基準に業界の自主目標を立て努力する規格である。
企業は、上記に述べた法規制を尊守する義務があり、それが消費者を守ることにつながってくる。